不眠不休で授乳したのに体重減少?母乳信仰から抜け出すまで

完全母乳神話から抜け出して理想の混合育児にたどり着くまでの、私の実体験を紹介します。

混合育児って何?

混合育児とは、赤ちゃんを育てるにあたり「母乳とミルクを併用する事」です。

母乳は実に良くできています。

赤ちゃんに必要なたんぱく質やミネラルだけでなく、重要なホルモンや免疫(抗体)を含みます。

母乳が素晴らしいことは理解しました。

でもその母乳が満足に出ないお母さんもいますし、何らかの理由で母乳を与える事ができないお母さんもいます。

その場合、市販のミルクを併用して与える事になります。

おっぱいが出ない!~母乳育児への憧れ

3200gで産まれた我が子。

出産直後は初乳も与える事ができ、順調な育児がスタートしたかのように思えました。

出産当日から力強くおっぱいを吸う息子を眺めながら、幸せな気分に浸っていた自分。

しかし実際は、ほとんど母乳が出ていなかったのです…。

不眠不休でおっぱいをあげ続けたにも関わらず、翌日には息子の体重が300g減少。

午後になって

「ミルクを足しましょう」

と助産師に告げられました。

母乳が出ていない事にショックを受けつつミルクを作り(たったの10㏄!)、息子の口に哺乳瓶を含ませたときの事です。

息子が目をカッと見開き、ものすごい勢いでミルクを飲み干したのです。

その顔は今でも忘れられません。

おっぱいが出ておらず、息子はお腹がぺこぺこだったのです。

それでも私は、完全母乳育児への憧れが消えることはありませんでした。

母乳相談室への駆け込み~まさかのおっぱい拒否!

退院後も母乳だけでは足りない日々が続きました。

できるだけ哺乳瓶に慣れさせたくなくて、とにかくおっぱい優先の日々。

しかし母乳だけで寝ついても、1時間もしないうちにお腹を空かせて目覚めます。

結局、母乳の後に毎回ミルクを足す、という授乳スタイルとなっていきました。

当時の授乳記録ノートを見ると、その回数の多さと1回の授乳時間に驚きます。

一日の大半を、私は半裸で過ごしていたのではないでしょうか。

授乳ノートには母乳後に与えたミルクの量も記載していました。

ミルクの合計が多い日は

「母乳が少なかったんだ」

と落ち込み、少ない日は

「母乳が結構出た!」

と嬉しく思っていました。

完全に自己満足の領域だという事に、私はまだ気付いていませんでした。

息子が生後1か月になるかならないかの頃です。

「マッサージをしてもらったら母乳の出が良くなった」

という噂を聞き、私は母乳相談室に駆け込みました。

そこで助産師さんにマッサージしてもらい、衝撃を受けます。

自分の目を疑うほど、母乳がピューピュー宙に飛び散っていました。

助産師さんはマッサージしながら

「お母さん、母乳出てるから大丈夫!ミルクはなるべくあげないで、母乳をあげなさい。お母さんが頑張らなきゃ!」

と。

正直、嬉しかったです。

毎日一人で悩んでいたところに、頑張れば大丈夫と太鼓判を押してもらえたような感覚でしたから。

今からでも完全母乳育児は夢じゃないと思いました。

今思えばこの思いが、さらに母乳神話の泥沼にはまり込む原因となったのです。

私は一層、母乳育児の継続に神経を注ぐようになっていきました。

母乳相談室には合計3回行きましたが、そのたび

「お母さんが頑張らないでどうするの!」

と言われ、だんだん何とも言えない複雑な気分になっていったのを覚えています。

食欲旺盛な息子が望む量の母乳は、いくら頑張っても出ません。

そんな時、息子が突然おっぱいを拒否しはじめました。

誰のために悩んでいるの?~母としての目覚め

息子のおっぱい拒否は、頭を殴られたようにショックでした。

おっぱいを含ませても、途端に乳首を口から投げ出して大泣きです。

この頃から私は夜眠れなくなり、もちろん母乳の悩みだけが原因ではありませんが、うつ状態になっていきました。

誰のためにこんなに悩んでいるのだろう?すべては子供のためのはず。

しかし産後うつになって食欲も落ち、不眠になり、明らかに健康を害している母親がそこにいました。

そんな時、区が運営する産後ケアセンターに3泊4日で宿泊できることになりました。

その施設は24時間体制で、母子に寄り添った親身な対応をしてくれました。

久しぶりにのんびりシャワーに入ったり、他のお母さんとおしゃべりしながらゆっくりご飯を食べたり。

みるみるうちに癒されていくのが実感できました。

そして私を母乳神話から目覚めさせてくれたのは、ここでのカウンセリングでした。

自分の気持ちを正直に話した後、カウンセラーから以下のような言葉をもらいました。

「お母さんが今日まで56日間、母乳をあげ続けてきた事は本当にすごい事なのよ。もっとポジティブに、今までお母さんが出来たたくさんの事に目を向けましょう」

私はこの言葉を受けて心が救われたような気がしました。

同時に、母としてやるべき事は、完全母乳を目指すことではないと気付きました。

混合育児のメリットとデメリット

その後の私は無理のない混合育児の道を選び、息子が1歳を迎える2日前を“卒乳”の日としました。

改めて考えると、混合育児には良い面もたくさんありました。

混合育児をしてきた中でのメリットとデメリットについて、感じたことを書いてみます。

私が感じた混合育児のメリット

  • 作られた分の母乳は全て子供が飲んでくれたので、乳腺炎などで苦しむことが無かった
  • 外出時はミルクで対応していたため、外でわざわざ授乳室を探さずに済んだ
  • 子供を父親に任せて、少し家を空けることも可能だった
  • 卒乳~離乳食への移行が非常にスムーズだった→結果、育休明けの職場復帰にも影響がなかった
  • 母乳からの栄養と食欲を満たす十分な量、両方を子供に与える事ができた

私が感じた混合育児のデメリット

  • ミルク代がかかった
  • 授乳→ミルクの準備に、毎回手間がかかった(ただし慣れれば問題なし)
  • 一時期「乳頭混乱」(哺乳瓶なら飲むのに、おっぱいは拒否する状態)を起こしていた

混合育児を経験してみて

おっぱいからの母乳と哺乳瓶からのミルク、息子は本当にたくさん飲んでくれました。

母乳の出が悪いことから始まり、当時は本当に信じられないくらいに悩みました。

でも今となっては、大泣きで乳首を口から放り出された事すら笑い話です。

卒乳を決意した最終日、私はさみしさに泣いてしまいましたが、息子のほうは離乳食をバクバク食べており全く未練は無さそうでした(笑)。

育児には様々な考えや方法がありますが、目指すところはみな同じ。

子供が健やかに育つ事ですよね。

息子はアレルギーも無く大きな病気もせず、健康に育ってくれています。

もし母乳があまり出なくて悩んでいるお母さんがいたら、ここにもたくさん悩んだ母親がいるという事をお伝えしたいです。

そして、母乳とミルクそれぞれの良い面が生かせる「混合育児」を迷わずおすすめしたいと思います。

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