出生前診断はいつ?何が分かる?結果が高リスク判定の場合…

私は妊娠中、出生前診断の検査を受けました。

出生前診断は、おなかの赤ちゃんに先天性の病気がないか専門的な検査を行い、診断するものです。

妊娠12週の時、専門のクリニックで「胎児ドック」という出生前診断を受けました。

私が出生前診断を受けようと思った経緯、胎児ドックの体験をお話したいと思います。

出生前診断を受ける経緯

出生前診断については、検査を受けること自体、賛否両論あると思います。

しかし、私は妊娠した時点でこの検査を受けようと心に決めていました。

その大きな理由は、私の弟が障害をもっていたことです。

弟は自閉症という障害があります。

私は、障害児のきょうだいとして育ってきました。

親ではないので自分で育てたわけではありませんが、障害をもった子を育てる過程をずっと近くで見て感じてきました。

「障害を持つ子を育てる」

その現実を知っているからこそ事前に知って心の準備をしっかりしておきたかったのです。

また、胎児ドックでは遺伝カウンセリングも受けられ、自閉症の遺伝的なことを知りたかったのも理由のひとつです。

そして、私は高齢妊婦でした。

自身の年齢のことを考えれば、赤ちゃんが病気をもって産まれる確率が高いため検査しておきたかったのです。

初期胎児ドック

私が検査をしたクリニックでは、初期胎児ドックは妊娠11~13週の間に受ける事ができます。

人気が高いクリニックでしたので、妊娠した時点で即予約をいれました。

そして、12週の時、夫同伴で初期胎児ドックを受けました。

初期胎児ドックは、最先端の超音波機器を使い、おなかの赤ちゃんの、首のむくみや、鼻骨、心臓の血流などを調べます。

ダウン症などの染色体数異常のほか先天性異常の可能性を細かく評価できます。

診察室には最新式の超音波機器と大きなモニターがあり、おなかの赤ちゃんの様子を見ることができます。

大きなモニターに映し出された我が子。

当時12週でわずか5cmほどしかありませんでしたが、指をしゃぶっている姿まで鮮明に映し出され、夫と感動したのを覚えています。

その後、先生が、赤ちゃんを細かく超音波でチェックしていきます。

全ての項目をチェックした後、先生から簡単な説明がありました。

  1. 鼻骨の低形成であること(鼻骨が小さい)
  2. 心臓の血流に若干の逆流がみられる
  3. 首のむくみが基準より少し大きい

先生のお話では、この3点が気になるとのことでした。

そして、これらはダウン症児の特徴に多いものであると告げられました。

また、年齢的にも算出される確率は上がるだろうと言われました。

胎児ドックの検査結果は、この後のカウンセリングで告げられます。

検査結果は?

先生の話から、確率は高く出ると予測はしていましたが、渡された検査結果に書いてあったのは衝撃的な数値でした。

21トリソミー(ダウン症)の確率・・・1/4

高リスクという結果でした。

この確率を目の当たりにし、頭の中が真っ白になって、私は自然と涙がこぼれていました。

あくまでも確率の話ですが、私にはとても衝撃的な数値でした。

その後、追加検査として、「絨毛(じゅうもう)検査」があると説明を受けました。

絨毛検査はお腹に針を刺し、絨毛(後に胎盤になる組織)の一部を採取し、染色体や遺伝子を調べるものです。

羊水検査と似たようなものにはなりますが、羊水検査は16~17週になってから受けるのに対し、絨毛検査は、12~14週の早期に受けられる検査です。

絨毛検査は、確率しかわからない胎児ドックと違い、ダウン症、13トリソミー、18トリソミー、その他の染色体数異常や染色体の部分異常といったものの有無を正確に検査できます。

しかし、お腹に針を刺すので、わずかではあるものの流産や破水、出血などのリスクはあると説明されました。

私と夫はその場で答えを出すことができませんでした。

絨毛検査は午後からスタートするとのこと。

少し時間を下さいと伝え、その後、夫婦で話し合いました。

絨毛検査へ

私は夫と悩みました。

「わずかでも流産の可能性がある検査を本当に受けるべきなのか?」

しかし、

「高リスクという結果を知りながら出産まで不安な気持ちで過ごすことできるだろうか?」

夫婦で悩んだ結果、

「もし産まれてくる我が子に障害があったら、病気についてきちんと勉強し、心の準備しておきたい。」

私たち夫婦は、やはり絨毛検査を受けることを決めました。

検査の方法はエコーで赤ちゃんの位置を見ながら、お腹に針を刺し絨毛と呼ばれる組織を採取します。

お腹に針を刺すことはとても怖く、不安で検査前は緊張していました。

いよいよ検査開始。

エコーで子宮の位置が良くなったところで麻酔の注射をしました。

注射がチクッとしたなと思っていたら、あっという間に絨毛の採取は終わっていました。

麻酔が効いていたので絨毛の採る時の痛みは感じませんでした。

その後、20分ほど安静ののち赤ちゃんの心音を確認しました。

ダウン症、13トリソミー、18トリソミーについての結果は、翌日に出るとのことでした。

その他全ての結果は、3週間程かかるという事でした。

しかし、結果は夫婦そろってではないと聞けないとのこと。

高リスクだったため、できるだけ早く知りたいのが本音でしたが、夫の仕事の都合もあり直近で予定が合う日がありませんでした。

そのため、最終的な結果が出る、3週間後に検査結果のカウンセリングの予約をいれて帰りました。

不安に過ごした3週間

結果が出る3週間ほどの間、夫と不安な日々を過ごしました。

「事前に知って心の準備を...」

と考え、受けた出生前診断。

しかし、実際に高リスク判定を目の当たりにし、私の心境はとても複雑でした。

「もし障害があったら自分は本当に育てられるのだろうか?」

こんなことを考えること自体、母親失格なのかもしれません。

しかし、自分の弟に障害があるので、障害のある子を育てることは、きれい事だけではないという現実を、私は知っていました。

また、弟をずっと見てきて

「障害を抱えて生きることは本人にとって本当に幸せなのか?」

このことにも確信が持てない自分がいました。

本当に色々な思いが頭の中をぐるぐるとめぐっていました。

この3週間、夫婦で病気のことを詳しく調べたりしました。

そして、実際にダウン症のお子さんをもつ方のブログを読んだりもしました。

そのブログは、よくある子育てブログと何も変わらない、写真とともにお子さんとの日常つづられているものでした。

そして、そこにあったのは幸せそうなお子さんの笑顔でした。

私たち夫婦は我が子を授かった時から、「唯一、我が子に望むこと」がありました。

それは、

「子どもが幸せであること」

そのために親としてできるのは、子どもに愛情を注ぎ全力でサポートしていくことだと話し合っていました。

悩んでいる私に夫はこう言いました。

「たとえ子どもに障害があっても自分達ならきっと幸せにできる。」

もちろん、現実は理想通りにはいかないと十分わかっていましたし、簡単には不安も消えませんでした。

しかし、夫のこの言葉で

「この人が父親なら大丈夫かもしれない」

と思えたのも事実でした。

最終結果は?

結果を待つ3週間は本当に色々なことを考えました。

「何があっても受け止めなければ...」

そう自分に言い聞かせ、最終の検査結果を聞きにクリニックに向かいました。

夫と緊張しながら、名前を呼ばれるのをロビーで待っていました。

名前が呼ばれ、カウンセリング室に入ると間もなく、小児遺伝専門の先生が訪れました。

先生は席に着くと

「安心してください。いい結果ですよ。」

とにこやかに言いました。

その後、遺伝子の検査結果の詳しい説明がありました。

心配していたダウン症、13トリソミー、18トリソミー、について異常は見られなかったこと。

その他の染色体異常も見つからなかったという結果でした。

ある程度覚悟はしていたので、この結果を聞いたとき全身の力が抜けました。

そして、ずっと聞こうと思っていたことについて質問しました。

「私の弟の自閉症がありますが、自分の子どもに遺伝することはあるのでしょうか?」

先生「自閉症に関しては、遺伝的要因が関係している可能性はあるとは言われています。
しかし、自閉症はいまだ原因が分かっておらず、遺伝的要因はあくまで要素のひとつにすぎません。
兄弟姉妹の場合、1人が自閉症だった場合その兄弟姉妹が自閉症である割合は5~10%くらいと言われています。
だからといって、必ずしも発症するわけでもありません。
そして、これは兄弟姉妹の場合ですので、あなたのお子さんに遺伝する確率はもっと低くなります。
ほんのわずかな事ですので、そこまで心配する確率ではないですよ。」

自分の中でずっと気になっていた事だったので、この答えを聞き、私は安堵しました。

おわりに

私の場合、初期胎児ドックでダウン症の確率が1/4という高リスク判定がでました。

最終結果までの3週間は、本当に悩み不安だらけの日々を過ごしました。

しかし、出生前診断を受けたことで、早い段階で不安を取り除くことが出来ました。

検査を受けず、不安な気持ちを抱えたままの妊娠生活は精神的にきつかったと思います。

ですから私は出生前診断を受けてよかったと思います。

また、私たち夫婦にとって出生前診断は、お腹にいる我が子について真剣に考える機会にもなりました。

この経験で「自分たちが親になる自覚」も生まれたと思います。

しかし、出生前診断を受けたからといって、全ての異常が分かるわけではありません。

出生前診断でわからない障害などいくらでもあります。

そして、それぞれの検査には精度や限界があることを十分知って受ける必要があると感じました。

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