生後1ヶ月の息子が診断された「気管軟化症」という病気

 私の息子は誕生した日に「先天性食道閉鎖症」と診断され、すぐに手術を受けました。

羊水過多?お腹が大きくなり過ぎ!先天性食道閉鎖症。原因は?

2019年3月11日

 無事に手術は成功しましたが、術後の入院中に「気管軟化症」という病気の合併が新たに発覚し、悩みの種となったのです。

診断されるまで

 「先天性食道閉鎖症」とはその名の通り、赤ちゃんの食道が生まれつき閉鎖してしまっている病気です。病型によって一般的にA型~E型まで分類されますが、日本で多いのはそのうちのC型です。

C型は食道の上側が途切れていて、下側は胃から伸びた食道が誤って気管につながっている形になっています。私の息子もこのC型でした。

 C型の手術は下側の食道を気管と切り離し、途切れている上側とつなぐという手術なので、少なからず気管を触る必要があります。また、もともと食道と気管は胎生期には一体化しているものなので、食道に異常があると気管にもその影響が出やすく「先天性食道閉鎖症」の子は気管が弱いことが多いのです。

 息子にその症状が出始めたのは生後1ヶ月頃、NICU(新生児集中治療室)で術後の検査や治療を受けているときでした。頻繁にではないのですが、「ゲーン」と大きな咳をすることが増えてきたのです。また、呼吸の際に「キューキュー」と高い音が混ざるようにもなってきました。

 そのときに小児外科の先生に言われたのが「手術で気管を触っているので、その影響で恐らく気管軟化症があるのでしょう」ということでした。私が息子を出産したのが11月、息子が退院できたのが12月だったのですが「今インフルエンザなどにかかると致命的です」と言われ、その年の冬はとても恐い思いで、風邪の予防を徹底して過ごしました。

「気管軟化症」ってどんな病気?

 「気管軟化症」は主に3つの原因に分けられます。1つが気管支の近くにある大きな血管(大動脈)によって気管が圧迫されてしまうことによって起こるもの。2つめが気管の発育異常によるもの。3つめが気管の周りを取り囲む軟骨が弱いためによるものです。そのため、呼吸の際に気管の内径が保てなくなり押しつぶされてしまい、ときには呼吸が辛くなってしまいます。

 その症状としては犬が吠えるような音の咳(犬吠様“けんぼうよう”咳)、呼吸音に混ざる喘鳴、ときには肺炎を繰り返すこともあります。

 治療は主に小児内科、呼吸器科によって内科的に行われ、痰を出しやすくする薬や、気管を拡張してあげる薬、喘息の薬などが処方されます。また、風邪をひくと急激に悪化しやすいので感染対策も行われます。

 多くはこういった治療のみで2歳頃を目安に症状が軽快していきます。しかし呼吸状態の悪化などで生命の危険があるときは、気管切開など外科的処置も検討されます。

息子生後3ヶ月―突然の入院と小児専門病院での検査

 息子の喘鳴は日を追うごとにどんどん大きくなってきました。生後3カ月になる頃には、普通に呼吸をしていても「キーキーガーガー」と驚くほどの音が出ていたのです。そんな状態でも息子は苦しそうな素振りひとつなく、毎日とっても元気でした。

しかしついに、この状態を診た呼吸器科の担当医に入院を勧められてしまったのです。このとき、時期は1月。しかもこの年はインフルエンザが例年にないほど猛威を奮っていたこともあり「感染予防の目的もあるので、月単位での入院を覚悟してください」と言われてしまいました。結局、その後2週間ほど息子は入院。私も息子の付き添い入院をしました。

入院中に気管の造影CT検査が行われ、その結果が驚くべきものだったのです。写し出された息子の気管は素人の私でもわかるぐらいに細く、その太さは糸ぐらいしかありませんでした。

「とても元気なのに、気管がこんな状態だったなんて……」
と、とてもショックでした。
「まさか気管切開が必要なのかも……」
とひどく心配にもなりました。

そして、それは担当医も同じだったらしく「本人の元気さとCTの結果があまりにも違っていて判断できない。大きい病院で一度診てもらって意見が欲しい」とのことで、退院後すぐに小児専門の病院に紹介されることになりました。

そこでは2泊3日で検査入院が行われ、通っていた病院よりも精密な、気管支内視鏡による造影検査が受けられることになりました。結果は「前回のCT画像が一番悪い状態を捉えているだけで、手術の影響による気管軟化症で間違いない」とのこと。「今すぐに外科的処置が必要な状態ではないので、今まで通り成長を待つことになるだろう」ということで、やっと安心することができたのです。

気をつけるべきことと在宅医療

 前述しましたが「気管軟化症」にとって、風邪やウイルスなどの呼吸器疾患は天敵です。急激に症状が悪化して手術、あるいは生命の危機ということもあり得ます。なので、少しでもそういったものに罹らないように、家族全体での感染予防が必要になります。

わが家の場合も、家族全員がインフルエンザの予防接種、冬場の外出時はマスクの着用、帰宅時の手洗いうがいを徹底していました。もし風邪をひかせてしまった場合でも、普段からよく状態を観察して、異変があればすぐに診察を受けに行くことが大切です。

 また、泣くことによって気管がつぶれやすくなってしまうので、なるべく激しく泣かせないようにも気を付けてあげるといいでしょう。

 医療機器の話になりますが、今わが家には酸素を出す機械とパルスオキシメーター(心拍数や血中酸素濃度を測る機械)、そして風邪をひいたとき用に電動吸引機があります。すべて病院側が「持っていたほうが良い」と勧めてくれたもので、ほとんど無料で置くことができています。幸い、ほぼ使わずに過ごせていますが、これほど心強いものはありません。

住んでいる地域や病院によっても対応が変わってくるかもしれませんし、使用方法について調べたり、練習したりも必要ですが、こういった機器について相談してみるのもいいかと思います。

息子の「気管軟化症」その後

 息子の場合は生後5ヶ月を過ぎた辺りから徐々に症状が落ち着き始め、1歳になるまでには通常の呼吸では喘鳴がしなくなりました。

現在は1歳4ヶ月。まだ泣いたりすると、息を吸うときに「バオッ」とラッパのような低い音が鳴りますが、症状と言えるものはそれだけです。

10ヶ月のときにかかった初めての風邪がRSウイルスだったのですが、その入院中も軽い酸素の補助だけで済みました。

現在息子の体重は9kgほどですが、もともと「成長とともに気管も太くなるため、体重が10kgを超えてくると良くなることが多い」と聞いていたので、どうやらその通りになってきているようです。

とはいえ、まだ薬の内服は続いています。やはり人より痰は出やすいので、風邪のときにはこまめに吸引したり、ときには酸素の補助をしたりと注意してあげなければと思っています。

まとめ

 「気管軟化症」は生活するうえでいろいろと注意が必要な病気ではありますが、多くが成長とともに普通に過ごせるようになります。たとえ気管切開をしたとしても、その後閉じることができて、元気に走り回れる子もいるそうです。

 呼吸に関わる病気ということで心配は尽きませんが、親としてできる対策を万全にして、子どもを支えていってあげたいですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

「先天性食道閉鎖症」「気管軟化症」「先天性食道狭窄症」をもつ息子のママです。 大変なこともありますが楽しく元気に生活してます。 同じ病気をもつご家族の参考になればとブログもやっています!(↓WEB SITEを参照) https://ameblo.jp/candy5ss1p