子供がアナフィラキシーの症状!時間との勝負!すぐに救急車を!

パイを食べて「喉が痛い」と泣く娘。

3歳の娘は息苦しいという言葉を知りませんでした。

喉が腫れていることは、外側から見ただけではわかりません。

いつもと違う娘の様子がアレルギー反応を疑う唯一の理由でした。

まさか娘が重度のアレルギー反応に見舞われるとは思ってもみませんでした。

かゆみや蕁麻疹とは違い、私は喉の痛みがアレルギー反応であることに気がつくまで時間がかかってしまいました。

アレルギー物質の摂取量が少なかった為に命に別状なく済みましたが、摂取量がもう少しでも多かったら、喉の腫れがひどくなり気道をふさいで呼吸困難になっていたかもしれません。

救急車を呼んでも間に合わなかったことでしょう。

アレルギー反応によるアナフィラキシーの症状は突如やってきました。

アナフィラキシー:アレルギー対策をしていたのに…

娘が3歳のころ、夫が仕事で家族経営の多国籍レストランを頻繁に訪れるようになりました。

ある日、夫がお土産にとパイを買ってきました。

私は台所で片付けをしていた最中でしたので、夫が娘に食べさせようとしている物が何か知りませんでした。

当時の私は、娘のアレルギー対策として、ナッツ類やそばなどアレルギー反応が強く出やすい食べ物を全く与えていませんでした。

食べたことのない新しい物を試す時は、必ず平日の昼間を選び、夫にそのことを何度も話していたので、まさか、夫が娘に食べたことのないパイを買って来て、遅い時間にそれを食べさせていたとは夢にも思いませんでした。

最初娘は夫が差し出したパイを

「いらない。」

と嫌がっていたようですが、

「せっかく買ってきたのだから食べてみなさい。」

と夫が言い、本人の意思に反して一口食べさせたようでした。

食べて数分後、娘が

「喉が痛い。」

と、泣きそうな顔で私の方に来ました。

最初は喉に食べ物が詰まったのかと思い、水を飲ませたりしていましたが、次第に喉が痛いと切羽詰まった様子で泣き始め、喉をかきむしるような感じでいつもと違う様子を見せたので、夫に何を食べさせたのか詰問しました。

その時初めて、食べたことのないパイを娘に与えていたこと、そして、パイの上にナッツらしきものがのっていたことがわかりました。

瞬時にアレルギー反応だと思い、急いで娘を車に乗せ救急病院へ走りました。

車の中で娘を抱え、呼吸を確かめながら、

「大丈夫だよ。」

と声をかけ続けましたが、話すことはできない状態でしたので、心配でたまりませんでした。

ようやくことの重大性に気がついた夫が車を飛ばし、なんとか10分ほどで救急病院に着きました。

アレルギーは緊急なので、着いたと同時に即対応して貰いました。

病室についたころには、娘の症状が少し落ち着いていたので、経口の薬を摂取し、その後30分病室で様子を観察し、帰宅となりました。

病室で待っている間、夫がレストランに確認し、パイに乗っていたのは刻んだ少量のピスタチオだということがわかりました。

そして、パイを食べる時に娘がピスタチオを嫌がったので、夫がそのピスタチオをパイから払った上で、一口だけ食べさせたことがわかりました。

この行為のお陰で、娘の命は助かったようです。

医者には

「アナフィラキシーの症状で、喉が腫れた為に痛くて泣いていたのでしょう。
ピスタチオの量がもう少しでも多かったら、気道が塞がれ呼吸困難に陥っていたと思います。
アレルギーの症状がでた場合は必ずすぐに救急車を呼ぶこと。
救急車にはエピペン(アナフィキシラー補助治療剤)という注射器が携行されているので、すぐに打って貰いなさい。
時間との勝負だから、車なんて運転して来る暇なんてない、命に関わる状況ですよ。」

と注意を受けました。

落ち着いて初めて、アレルギーの怖さを知り、足ががくがく震えました。

外から喉が腫れていることは一切わかりません。

パイにナッツがかかっていたことでアレルギーだと気がつきましたが、それでもしばらく時間がかかりました。

もしパイの中に練り込まれていた材料が原因でアレルギー症状が出たとしたら、

「喉が痛い。」

という3歳児の言葉だけでは、アレルギー反応だとは気がつくことはできなかったと思います。

もっと摂取量が多ければ、アレルギーだと気がつく前に呼吸困難に陥っていたかもしれない、そう思うと、怖くて震えが止まりませんでした。

夫には

「新しい物、色んなものを食べさせてみたいと思う以前に、安全性を一番に考えて欲しい。
珍しい食材や料理はもっと大きくなってからで良いから、お願いだから今はまだ食べさせないで欲しい。」

と訴えました。

以降、私は必ず成分表を確認するようになりましたが、娘にも自分の命は自分で守ることができるように、小学校に入ってからは、自分でも必ず成分表を確認するように促しています。

アレルギーの専門医、エピペン処方

後日、アレルギーの専門医を訪れ、経口薬とエピペンという注射器を処方してもらいました。

アメリカでは当時、アレルギー検査としての血液検査は行われていませんでした。

医者からは、

「血液検査では症状がでない食べ物でも数値が高くでてしまうことがあり、症状がでなければ避ける必要もないはずの食べ物まで食べないようになってしまうということが多く発生した為に、血液検査をやらなくなった」

という説明を受けました。

娘の場合はすでにアナフィラキシーの症状が出ている為に、

「ピスタチオを摂取することは避けて下さい。」

と言われました。

「ピスタチオと同じ科に属する食べ物も避けるように。
ただ、すべてのナッツ類は同じ科ではないので、他の科のナッツ、ピーナッツやアーモンドなどは問題ないでしょう。」

と言われました。

それでも娘にナッツ類を食べさせようと思ったことは一度もありませんでした。

食べさせなければ大丈夫だと思っていたのが間違えだと言うことに、すぐ気づかされました。

数か月後、自宅で私がカシューナッツを食べ、手を軽く拭いて、娘を抱っこしたところ、娘の顔に赤い蕁麻疹が出てきました。

私は慌てて、以前処方を受けたアレルギーの経口薬を娘に飲ませました。

以前のような喉の症状はなく、蕁麻疹だけでしたので、自宅で様子をみているうちに、徐々に蕁麻疹がひいていきました。

私の手が原因なのか、食べていた時に出た目に見えないような粉が娘の口に入ってしまったのかはわかりませんが、私は自分の軽率さにあきれると共に、アレルギーは食べるという行為以外にも、反応がでる要因があるのだと痛感しました。

医者からはナッツ全般を避けるようにと指示が出ました。

その日以降、家にナッツ類を置くことは一切禁止しています。

すべてのナッツを避けるようにしています。

日本でのアレルギー治療

日本に帰国した後、アレルギーの専門医をすぐ探しました。

アメリカでの事情を説明したところ、医者に

「本当にアナフィラキシーなの?」

と言われました。

それをどうやって説明しろと言うのでしょう。

カシューナッツの話をしても、

「触っただけで出るのかな。」

と疑心暗鬼な反応でした。

日本では血液検査も行われましたが、ピスタチオの項目などありません。

カシューナッツは血液検査でアレルギー数値が出ました。

それでも医者は、

「このくらいなら食べてみても問題ないと思うよ。」

と言います。

アメリカの医者と比べて、危機感の違いに呆然としました。

さらに、自宅でカシューナッツを少量からでも食べさせてみるようにいわれました。

どうしても食べさせると言うことに納得がいかない私に向かって医師は

「アレルギーを治す治療をする気がないならうちの病院へ来る必要はない。
うちはアレルギーを治すための病院だからね。
成長と共に治ることもあるから、少しでも食べさせてみてアレルギー反応がでるかどうか見てみるべきだ。」

と言いました。

「エピペンの消費期限が切れるだけの更新なら、うちの病院へ来ないで欲しい。」

とも言われました。

世の中にはアレルギーの積極治療を希望する患者だけではないと思います。

子供にアレルギー反応がでることがわかっているのであれば、苦しい思いをさせたくない親だっていると思います。

病院や医師の方針があることは理解できますが、積極治療を望まない患者の受け入れを拒否する姿勢に驚くと共に、親の言葉を全く信用しない医者に会ったのもこれが初めてでした。

アメリカでの医者の対応と大きく異なり、残念でなりませんでした。

娘は医者の言葉に心底がっかりした様子で、

「息ができなくなるような苦しいのなんて、絶対嫌。
私はナッツを絶対食べないから。」

と話します。

アメリカではナッツ類のアレルギーは反応が強く出る人(重症化)が多いので、特に要注意とされてきました。

かゆみや蕁麻疹程度で収まらなかった場合、それ程のリスクを冒してまでナッツを食べられる体にしてあげたいとは、どうしても思えませんでした。

体が受け入れを拒否している以上、小さいころは無理をして摂取する必要はないというのが我が家の方針です。

成長と共に、体が大きくなった時は、本人の意思や希望があれば、違う選択があっても良いとは思います。

現在もエピペンは、学校に一つ、自宅に一つ置いてあり、外出する場合は必ず携帯しています。

アレルギー症状と言っても軽度から重度まであります。

成分表を置いていないレストラン、エピペンの保管を拒む幼稚園に出会うこともありました。

アレルギーの症状で命に関わる状態になったと話すと驚かれることもあります。

正しい知識が広く認知され、アレルギー物質の表示や理解がより広まると良いなと願わずにはいられません。

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