母乳神話、睡眠不足…産後うつから脱したきっかけは…?

「育児が辛い」「逃げ場がない」出産前には想像もしなかったことでした。

幸せの絶頂だった妊娠期間が終われば、それ以上に幸福な毎日が訪れると思い込んでいました。

出産後、間もなくして産後うつになった私の体験をお話しします。

高齢妊活を経て授かった待望の赤ちゃん

夫婦共働きで、結婚後10年間子どもはいませんでした。

周りからのプレッシャーもありましたが、夫婦が強く願って授かった赤ちゃん。

それだけに、私は赤ちゃんに対してとても神経質に接していました。

もう、片時も目を離さない勢いです。

授乳と睡眠時間の記録で真っ黒になったノートを常にそばに置き、まさに一心不乱。

はたから見ると、少し異常であったかもしれません。

実家の母がいなくなってからの異変

出産後は3週間ほど、実家の母が手伝いに来てくれていました。

実家は遠くにあり、今後気軽に手伝いにきてもらうことは不可能でした。

「これからは私が頑張らなければ」

「この小さな子の命は、私の手にかかっている」

私はこれまでよりも一層、強迫観念にかられるようになりました。

自分で異変に気付いたのは、1か月検診の3日後。

その日の育児日記には3行だけこう書かれていました。

精神病かもしれない。

夜ねむれない。動悸がして。

不安におしつぶされそう

(原文そのまま)

完全母乳神話にとらわれる毎日

出産直後から、私は母乳の出が悪いことに相当悩んでいました。

授乳室で、我が子にたっぷりとおっぱいを与えて微笑んでいるお母さんを見ると、苦しくなりました。

かたや私は、母乳をなんとか出そうと必死の形相です。

「赤ちゃんのためにできれば母乳育児をしたい」

という思いが、いつの間にか

「母乳が出ない母親なんて失格だ」

という完全に間違った考えに傾いていってしまいました。

この思いは退院後も続き、産後うつの原因のひとつになっていきました。

妊娠~出産という一大イベントからのギャップ

妊娠中はいたって順調だったことから、ずっとマタニティ・ハイのような状態でした。

幸福感が続いたまま出産へ。

陣痛が28時間も続き、最後は吸引分娩という難産でしたが、赤ちゃんはすこぶる元気に産まれてきてくれました。

体力と精神力を振り絞って産んだ我が子。

感動を通り越して、今まで感じたことのない安堵、快感、高揚感などが一気に押し寄せました。

しかし幸せに浸る間もゆっくり眠る暇もなく、子供のお世話に翻弄される日々に突入します。

そのギャップと、急激なホルモン減少に伴い精神的にも危うい状態になっていた中での「産後うつ」発症でした。

ついに一睡もできなかった…!

子供が生後1か月と少し経った頃、ついに一睡もできない日を迎えます。

子供が眠った時に自分の睡眠も取らなければいけないのに、眠った子の顔をずっと覗き込み、不安と底知れない恐怖で眠ることができません。

そして驚くべきことに、自分の子供のことが異星人のような存在に思えてくるのです。

私の心は完全に遠い所に行っており、子供の顔を見ても楽しいとか嬉しいという感情が湧き出てこなくなっていました。

食欲もなくなり、ほぼ無表情で過ごしていたようです。

それでも(子供の面倒だけは見なくては!)という強い思いのもと、なんとか育児だけはこなしていたように思います。

病院へ ~そして思わぬところから電話が

どこかで「うつ」であることを認めたくなかったのかもしれません。

私は、精神科ではなくかかりつけの内科を受診しました。

動悸が収まらないという事を伝えて心電図もとりましたが、異常なし。

やはり処方されたのは睡眠薬でした。

睡眠薬を飲めば授乳できなくなるので、飲むつもりはありませんでした。

でもやっぱり苦しい…。
この状態から脱したい…。

病院の帰り、とぼとぼと歩いていたその時です。

携帯に着信が。

誰だろう?と出てみると、区役所からの電話でした。

夫が私の事を区に相談したようで、その際に「産後ケアセンター」に申し込んでくれており、なんとその当選の通知だったのです。

産後ケアセンターへ ~うつ状態からの解放

産後ケアセンターは区が運営している、母子が手厚いケアを受けられる宿泊施設です。

参考:世田谷区産後ケア事業

利用には要件があり、私の区の場合は

「区在住の生後4か月未満の子どもとその母親で、産後に育児不安や体調不良があり、家族などから支援を受けられない方」

という事でした。

大変な人気で予約は難しいと聞いていましたが、私は利用する当日の朝まで(できれば行きたくないな…)などとぼんやり考えていました。

しかしそこでの経験は、想像をはるかに上回る素晴らしいものでした。

産後ケアセンター3泊4日!どう過ごすの?食事は?部屋は?

2019年4月5日

結論から言うと、私はそこで4日間滞在した事で「うつ状態」から脱することができ、最終日には心から晴れやかにに子供と向き合うことができたのです。

理想ばかり求めてしまう情けない自分の気持ちも全部さらけ出すことができましたし、何より出産後からずっと消耗し続けていた身体をゆっくり休めることができました。

最後に

私の「産後うつ」がひどかった期間は1か月でした。短い期間とはいえ、その間の赤ちゃんの成長を、もっと感情いっぱいに喜び楽しみ、明るく過ごしたかったという後悔が今でもあります。

世の中にはもっと長い期間苦しんでいるお母さんもいますし、うつの症状ももっと重い場合があると思います。

私の場合、夫や区の施設の助けを得ることで、突然ふっと気持ちが別の明るい方に向いていき、うつを脱する事ができました。

自分をあまり責めず、どんどん人に頼る事が本当に大切です。

そして、そんな事が誰でも当たり前にできるような世の中になってほしいと願うばかりです。

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