緊急帝王切開!396gの超低出生体重児で生まれた息子の今

近年では働く女性が増えるとともに早産で生まれてくる赤ちゃんたちも年々増えてきています。

しかし、日本の医療技術も年々向上していて、小さく生まれてしまった赤ちゃんたちの命が助かって無事にすくすくと育っていった事例も耳にすることが増えてきて、とても喜ばしいことです。

私には一人の息子がいますが、息子も日本の医療技術に命を救われた一人です。

出産から数年経ちましたが、今でも我が子が生まれた日のことは昨日のことのように鮮明に思い出すことができます。

我が子はある日突然出産することになった

妊娠が発覚してから、病院で検査をしてもらい、エコーで元気な心音もはっきりと聞きました。

1か月、2か月と着々とお腹の中で大きくなる我が子と日々生活しながら予定日まで当たり前のように妊婦として過ごすものだと思っていました。

私は元々風邪すらめったに引かないくらいに健康で、我が子が生まれた日の前日まで普通に仕事をしていました。

妊婦検診に定期的に通ってお医者さんからも

「順調ですよ」

と毎回言われていましたし、つわりもそこまで酷くなく、仕事をこなしながら着々と22週を迎えました。

22週の妊婦検診で近くの大学病院に救急搬送

その日は22週の妊婦検診の日でした。

それまでの妊婦検診は一人で病院に行っていたのですが、たまたま母が休みをとって一緒についてきてくれるということで午前の検診で病院に行きました。

せっかくなので検診が終わったらご飯でも食べに行こうか、なんて話をしながら診察に呼ばれるのを待っていました。

そんな話をしていられるくらいに私自身なんの異変も感じていなかったのです。

診察の順番がきて、母と一緒に診察室に入りました。

エコーで赤ちゃんの元気な姿を確認して、心音も聞かせてもらい、その後隣の部屋に移っていつも通り先生に内診をしてもらいました。

しかしそこで異変が起きます。突然先生の顔色が曇りはじめ、

「朝からお腹痛かったり張ったりとかなかった!?」

と聞かれました。

もちろん全然なにも異変を感じていなかったため、

「ないです」

と答えました。

すると先生が急に看護師さんを呼んだり、バタバタとどこかに連絡をしたりしはじめて、なんだかただ事じゃない雰囲気が漂い始めました。

私は何がなんだかわからないまま、診察室に戻りました。母と先生が深刻な様子で話をしてるのがうっすらと聞こえていて、不安でいっぱいでした。

診察室に戻ると先生が真剣な表情で

「子宮口が1センチほど開いてきていて、今すぐ入院して手術をしなければいけません」

と言いました。

私はいきなりのことすぎて話が全然飲みこめませんでした。

子宮頚管無力症というもので、子宮口を締める力が弱まる症状でした。

本来22週で子宮口が開いてはいけないのですが、私はその時点でもう1センチ開いてきていたのです。

すぐにベッドに横になってくださいと言われ、できるだけ体を起こさずに安静にするようにと言われました。

しばらく待っていると救急車が到着して、あっという間に近くの大学病院に救急搬送されました。

すぐに子宮口を縛る手術をすることになったが手術中に破水

大学病院に搬送されて、急遽用意してもらった病室で先生から説明を受けました。

もちろん絶対安静なのでベッドに横になったまま説明を聞きます。

子宮口を糸で縛る「シロッカー手術」というものをすれば、赤ちゃんをできる限りお腹に留めておいてあげられるとのことでした。

私の場合その手術を受けても、術後は予定日付近までは入院でほぼ寝たきりの絶対安静が必要とのことで、トイレなども病床で、と言われました。

予定日まであと5か月ほどはあったので、衝撃を受けましたがそれよりお腹の我が子のことが心配で心配で仕方ありませんでした。

準備が出来次第手術をしてもらうことに決め、呼ばれるのを待ちました。

また、手術中にもし何かしらの理由で破水した場合、そのまま帝王切開で取り出さなければならない場合もあるとのことでした。

しかし、考えていてもどうにもならないので出来る限りのことをしてもらうしかないと思いました。

手術は下半身の麻酔をして行いました。

麻酔の副作用なのか、とにかく気分が悪くて、途中意識がはっきりしませんでした。

途切れ途切れの意識の中、先生に起こされて

「手術をしようとしたのですが、もう今子宮口が10センチ開いていて、

赤ちゃんの入っている袋が半分出てきてしまっているので

破らないように押し戻して縫えるか試みます」

と言われました。

頭の中は正直パニックでした。怖いし不安でいっぱいです。

しかしとにかく気分が悪く、吐き気がして頭がガンガンと痛むので、また意識が朦朧としていました。

次に先生に声をかけられたときには

「お母さん、赤ちゃんの入っている袋を押し戻して縫おうと試みましたが、

破水してしまって、戻せないので帝王切開して出産という形になります」

とのことでした。

出産するかどうかの決断を迫られる

先生の説明によると我が子の当時の396gという大きさは仮死状態で出産という形になり、その後蘇生ができたとしても助かる可能性は低く、もし成長できても障がいが残る可能性も非常に高いとのことでした。

超低出生体重児390gで生まれた我が子のNICU退院まで

2019年3月6日

そこまで一通り説明されたうえで

「どうしますか?帝王切開で出産しますか?」

と一言。

まるで頭を殴られたような重い衝撃でした。

頭の中が真っ白でなにも考えられない状態でしたが、自然と

「赤ちゃんを助けてください」

と言葉を発していました。

今思い返しても、人生で一番重い質問だったと思います。

5か月間NICUに入院

我が子は、なんとか蘇生をして肺に呼吸器を入れて保育器のなかで一生懸命に生きていました。

初めはまず三日、それを超えたら一週間、その次は一か月と命の危険が付きまとう毎日でした。

まずはじめは感染症や合併症が怖いと言われていました。

一週間目には、お腹が細菌に侵され、膨れあがったりもしました。

腸が千切れてしまった場合には手術が必要になるかも、と言われていましたが幸い手術はせずに済みました。

その後一日一日と、少しずつですが成長していき、自分で呼吸が出来るようになるかどうかという壁がありました。

少し自発呼吸ができるようになり肺の呼吸器が取れて、鼻に装着するタイプの呼吸器になりました。

そこからまた日を重ね、次は酸素のみを補助的に鼻にあてるようなチューブに変わりました。

また、自分で呼吸をできるようになり始めてからは、まだまだ体は700gほどととても小さいですが保育器から出てベビーコットに移りました。

毎日母乳を搾乳して冷凍して、病院に届けていたので、腸に入っているチューブから直接母乳を入れてあげたりもしました。

普通の赤ちゃんのようにおむつを替えてあげたり、抱っこをしたりもします。

毎日、体は小さいながらも親子のスキンシップを感じ、精一杯生きようとしてくれていた我が子はとても生命力に満ち溢れていましたと思います。

未熟児網膜症の検査と治療

もう一つ、入院中に心配だったのが「未熟児網膜症」です。

超低出生体重児で生まれ、NICUで受けた診断、検査は?

2019年3月8日

低出生体重児は網膜の血管がまだ完成していない状態で生まれてしまっているため、日々伸びていく網膜の血管が異常な伸び方をしていないか、などを検査しなければいけません。

網膜の血管が破裂してしまったり、異常な伸び方をしてしまうと失明などの視力障害が起こってしまいます。

定期的に網膜の検査をして、必要であればレーザー治療などをしなければいけません。

我が子も入院中に、レーザー治療を数回と黒目の部分から注射をする治療を数回しています。

治療後は数日目が赤く腫れたような見た目になり、見るたびにとても心苦しかったです。

「なんでもう少し長くお腹の中に留めていてあげられなかったんだろう」

と自分を責めてしまうことも多かったです。

当時は毎日泣いて過ごしていました。

予定日から少し経ったころに2400gほどで退院

自発呼吸もだいぶできるようになり、ミルクも哺乳瓶で少しずつ飲めるようになって、退院することができました。

退院ギリギリまで、酸素の補助の機械を付けて帰らなければいけない可能性がありましたが、無事普通に退院できました。

しかしまだまだ大泣きすると顔が赤黒くなって酸欠のような状態になってしまったり、100mlのミルクを飲むのも1時間以上かかったり、体もなかなか大きくならなかったりと、気が抜けない状態がしばらく続きました。

ただの風邪などでも重症化の恐れがあったので、できるだけ菌を家に持ち込まないように徹底したり、温度管理を気をつけたりもしました。

しばらくは心配事が絶えず大変でしたが、それよりも約5か月の間一緒に生活できるのを心待ちにしていたので、嬉しさの方が大きくて幸せを感じていた方が強かったです。

現在の我が子の様子

現在2歳10か月ですが、体重は10kgほどにまで成長してすくすくと育っています。

階段を上ったり、外で走り回るのが大好きなわんぱくな子です。

言葉の遅れや発達の遅れはありますが、風邪なども引かずとても健康的に元気に育っています。

これからの言語障害や発達障害の心配はまだまだ消えませんが、命があって今生きてくれているだけで私にとって我が子は奇跡のような存在です。

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