ハーフの我が子は日本人として扱われない?「日本社会とハーフ 」

「ハーフ」と聞いて皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?

二ヶ国語を流暢に話すバイリンガル、容姿端麗、グローバルに活躍する姿でしょうか?

現在、テレビや雑誌で活躍するハーフタレントやハーフモデルも多く、ハーフに華やかなイメージを持たれる方もいるかもしれません。

私には2歳の娘がおります。娘の父親は外国人で、いわゆる「ハーフ」です。

今回は、我が子が日本でハーフとして育つことについて、お話したいと思います。

実際に、私が聞いたハーフの方本人の声をご紹介するとともに、その経験から私が感じたことをまとめました。

「ハーフ」とは?

一般的に日本で「ハーフ」とは親の片方が外国人である子どもを指します。

英語で「half」は「半分」という意味。

「半分が日本人」ともイメージできる言葉であり、ネガティブな表現との意見もあり、最近では「ミックス」や「ダブル」とも呼ばれます。

「ハーフ=half」とは、和製英語であり日本独自の呼称です。

アメリカやヨーロッパの国々では、移民など沢山の人種が暮らす国もあります。

そのためこのような表現がないのが一般的です。

一方で日本は単一民族国家(広義)です。

そのためか日本独自に「ハーフ」という呼称が広がったのかもしれません。

きっかけは我が子が「ガイジン」とよばれたこと

私が「日本社会とハーフ」について、なぜ深く考えることになったのか?

そのきっかけなった出来事をお話したいと思います。

娘は生まれたのは日本ですが1歳を迎える前の数ヶ月ほどの間、夫の国で暮らしていました。

夫の国での滞在期間を終え、日本での新しい生活がスターとしました。

そんなある日、私は娘をベビーカーに乗せ、家の近所を歩いていました。

その時、小学生くらいのお子さんを連れた親子とすれ違いました。

そして、そのお子さんが私の娘を見て言いました。

「ママ!見て!外人の子!」

もちろん子どもが言ったことですし、全く悪気がないことは十分理解しています。

私はそれが良いとか、悪いとか一切言うつもりもありません。

父親が外国人ならその特徴が外見に現れるのも自然なことだと思います。

当初、私自身も「確かにそう見えても仕方ないよな。」と感じる程度でした。

しかし、その後も街や電車の中などで同じようなことが何回か起こりました。

私の心に、だんだんと不安な気持ちが芽生えていきました。

「この先娘は日本で育っても、外人と言われるのだろうか?」

「日本人であるのに日本人と認められないのだろうか?」

「そうなったら親としてどうアドバイスしたらいいのだろうか?」

夫の国に住んでいたときは、そんな経験もなく、今までこのような疑問を持つことがありませんでした。

しかし、この日本で娘を育てていく以上、親として現実をしっかり受け止めていきたい。

私は「日本社会とハーフ」について知りたいと考えるようになりました。

そのため、実際に日本で育ったハーフの方の話を聞いてみたくて「外国にルーツを持つ子」の懇談会に参加しました。

日本で育ったハーフの経験談から知った現実

「外国にルーツを持つ子」とは、両親とも、またはそのどちらか一方が外国出身者である子どものことを言います。

国籍や生まれた場所、話す言葉、宗教なども様々で、日本で生まれ育った外国籍の子もいれば、海外で生まれ育ち日本語が出来ない日本国籍の子どももいます。

話を聞いた方のバックグラウンドはそれぞれ違いますが、日本で育ったハーフで主に大学生や社会人の方でした。

ハーフとして今まで経験したこと(幼少期や学生時代のこと)また、どんな悩みがあるのか?など話してくれました。

私が彼らの経験談から「ハーフ」として悩んだことなどを、まとめました。

日本人がハーフに抱くイメージと現実のギャップ

最近ではメディアで活躍するハーフタレントやモデルも増えてきました。

そんな華やかなイメージもあってか、日本人がハーフに抱くイメージと現実のギャップが彼らを悩ませたといいます。

語学堪能

周囲から

「英語話せるの?バイリンガル?」

この質問を幾度となく受けてきたそうです。

例えば日本語しか話せないと言うと、

「えー!ハーフなのに(外国語)話せないの?!」

と、二ヶ国語が話せてあたり前のように言われ傷ついたといいます。

片方の親が外国人といっても日本語しか話せない人もいますし、ハーフだからバイリンガルだとは限りません。

また、バイリンガルであっても、親の母国語が「英語」だけではありません。

日本では「外国語=英語」と認識しているひとが多いのか分かりませんが、言語が英語以外というと、

「ふ~ん、○○語?よく知らないな。」

と、そっけない返答してくる人もいたといいます。

このような経験が続いた結果、その言語に拒否反応がでてしまい、日本語以外は話したくなくなったと話す人もいました。

容姿端麗

「目が大きくて羨しい!やっぱりハーフだよね!」

「ハーフは背が高いね!」

容姿に関して褒められることはポジティブに捉えることですが、何かにつけて「ハーフだから」といわれるのが特別視されているようで複雑な心境だったそうです。

また、東洋の特徴が強いハーフの方の場合、周囲から

「ハーフなのに日本人みたいだね。」

と明らかに落胆する言葉かけられたという経験談もありました。

さらに、親がアジアのルーツをもつハーフの方の場合、子どもの見た目には表れにくいため、そのギャップに悩むケースもあるそうです。

周りの友人が気づかずに、その国の悪口を言うような状況にでくわし、返答に困ったり、嫌な気分になったり。

日本ではメディアの影響もあるのか

「ハーフ=アメリカやヨーロッパ人とのハーフ」

というイメージを持つ人が少なくないのかもしれません。

彼らは外国のルーツを持つ親の元に生まれただけの話です。

全てのハーフが語学堪能で容姿端麗なわけではありません。

しかし、ハーフには「語学」と「容姿」が期待されている。

しかもその片方だけではなく、その両方を持ち合わせていないといけない。

彼らは、そんな周囲が求めるハーフ像とそのギャップに傷つき悩んできたといいます。

国籍があっても日本人として扱われていない

「日本に何年住んでいるの?」

「国にはいつ帰るの?」

日本で生まれ育ち国籍があっても、この質問を幾度となく受けてきたといいます。

また、日常生活においても...

  • 日本語が母国語であるにもかかわらず、「日本語上手いね。」と言われる。
  • 仕事の面接で「漢字の読み書きは大丈夫?」と聞かれる。
  • 身分証明書を作成する時は必ず、「国籍はどちらですか?」と聞かれる。

こんな時「ああ、やっぱり自分は外国人と見られている」と感じるそうです。

生まれも育ちも国籍も日本なのに、「外国人」であることが前提のような質問をうける。

日本語を話し、日本の教育を受け、周りの友人も日本人。

日本国籍もある。

周りと何も変わりないのに、自分は「日本人」としてどうして扱われていないのか?

どんなに日本人でありたいと望んでも認めてもらえない。

彼らはそんな悩みをずっと抱えていたといいます。

容姿に対する偏見 ~周りから浴びせられ傷ついた言葉~

学校で容姿のことを言われ、いじめを受けた経験もありました。

「ガイジン!」「国に帰れ!」

と言われたり、身体的な特徴(肌の色や髪の色など)のことでからかわれたり。

そんないじめがつづき不登校になった方もいました。

また、学校の校則に関して、先生から地毛の茶髪を黒く染めるように注意されたり、くせ毛なのにストレートに戻してくるよう言われた人もいました。

学校側に事情をいくら説明しても、地毛だとは信じてもらえず、証明書を出すように言われたそうです。

自分ではどうにもならないものを規定外として見なされ、書類の提出を求められる。

それは自分という人間を否定されたようで、とても悲しく傷ついたといいます。

いじめの経験談は、聞いているのが本当に辛かったです。

もちろん、ハーフでなくてもいじめは起こりえることかもしれません。

しかし、見た目だけに関していえば、現実に私の娘にも起きる可能性があると認識し、不安を覚えました。

私は、彼らの経験談から、日本社会でハーフは「外国人と日本人の狭間で生きる現実」があることを知りました。

※これはあくまで私が聞いた経験談からまとめたものです。
 同じハーフでも特に嫌な経験をせずに日本で育った方もいます。
 ハーフといってもそのバックグラウンドや育った環境は人それぞれです。
 ハーフの全ての人がこのような経験をしているわけではないことをご理解ください。

アイデンティティクライシス

日本にいながら周りとは違う容姿の自分。

日本にいながら両親ともに日本人でない自分。

日本にいながら周りから日本人と認められていない自分。

日本語だけでなく他言語を話す自分。

日本人であるのに、常に「ハーフ」と呼ばれる自分。

「自分って一体何だろう...」

アイデンティティクライシスに悩むハーフの方は少なくないといいます。

アイデンティティクライシスとは

「自分は誰か?」
「自分は何なのか?」
「どこに帰属する人間なのか?」

が分からなくなり、悩んでしまうことをいいます。

懇談会で話を聞いた彼らのほとんどがこの「アイデンティティクライシス」の経験がありました。

彼らは「周りの人と違うことがとにかく嫌!」だったといいます。

そのため、出来るだけ目立たないように振舞ったり、バイリンガルであるのに日本語でしか会話しなかった時期もあったそうです。

日本社会で自分は「ハーフの○○さん」として認知され、自分は「ハーフ」というカテゴリーに入れられている感覚。

これは「一人の人間としてみてもらえていない」ように感じたと言う人もいました。

「日本で生まれ育っても日本人として扱ってもらえない。」

こんな状況が、アイデンティティクライシスを引き起こす原因になっているのかもしれません。

経験談を通して私が感じたこと

大人になったハーフの方本人の声を聞く機会はないので、私にとってこの懇談会はとても勉強になりました。

しかし、ハーフの子どもを持つ当事者として、目を背けられない現実も知り、正直とても不安になりました。

「もし娘がこの先、同じように悩んだ時、私は親として何をしてあげられるのか?」

私は自分なりに色々考えてみました。

ですが、今の時点ではっきりとした答えを出すことが出来ませんでした。

しかし、私が個人的に思うのは「日本人であるとかよりも、まず自分であること。」

ですから娘には

「なに人である前に自分は自分。あなたはこの世でたった一人の存在」

このことだけは伝えていきたいと思っています。

そして、双方の国の言葉や文化を知り、色々な経験をして「自分のアイデンティティ」を娘自身で確立していってくれればと思いました。

おわりに

今回、私が話を聞いたのは、たくさんのハーフの方の中のほんの数人にしかすぎません。

ハーフだからといって皆このような目にあっているわけではありませんし、過剰反応しすぎだと思う方もいるかもしれません。

しかし、経験談からもあるように、彼らが日本社会でハーフとして「生きづらさ」を感じてきたことは事実です。

世の中にはハーフのママのブログは沢山ありますが、ハーフの方本人の声を聞く機会は少ないと思います。

そのため私が懇談会で聞いた経験談を、ハーフのお子さんをもつ方やそうでない方にもぜひ知っていただきたく、今回記事を書かせていただきました。

また、近年、日本でも国際化にともない、様々なバックグラウンドを持った日本人も増えています。

この記事が「外国にルーツを持つ日本人」についても考える機会になってくれれば、うれしく思います。

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