自閉症スペクトラム小学4年の息子が不登校?学校生活の困難さ

自閉症スペクトラム、または自閉スペクトラム症は、発達障害のひとつです。

中でも、知能には問題がない場合は「高機能自閉症」と呼ばれます。

他の発達障害に比べても、知能が平均以上であることもよく見られます。

かつて発達障害といえば、知能に問題のあるものばかりでした。

最近は、知能には問題がないものの、生活の中で様々な不具合や問題を抱えた状態を、発達障害と呼ぶようです。

自閉症スペクトラムとは?

特徴は?

自閉症スペクトラムの傾向としては、以下のような特徴があります。

赤ちゃん時代

  • 身体が過敏:抱っこをいやがる、のけぞる、濡れるのをいやがる

幼児期・幼児期以後

  • コミュニケーション:呼びかけにこたえない、相手の言葉をオムム返しにする、ひとり遊びが多い、指差しをしない(相手に伝えるとき)、声の大きさを調整できない
  • 運動面:ジャンプやくるくる回るのが好き(よく跳びはねる)

学童期

  • 意志:自分の決まったやり方にこだわる(柔軟性がない)、自分の世界が大きく外のルールにあわせにくい

病気ではなく個性と捉える

「障害」という名称が、病的な印象を与えることもあります。

ですが、最近の精神科医たちの解釈でも、この「障害」は、子供自身の資質の問題のことではなく、多数派の(一般的な)環境の中で暮らすとき、自分の個性を生かしずらい・発揮しようとしたときに困る、という、子供たち自身からみた「ハードルの高さ」だったのです。

一般的な発達をした多数派の世界と、個性的な発達とした子供たちの世界の間のハードル、というのでしょうか?

最近は精神科医でも、

「発達障害は病気ではなく、脳の特性・個性」

という見解が一般的です。

ごく普通の(多数派の)子供たちとは少し違った傾向を見せる、という認識です。

病気であって個性なので、ましてや知能には問題ないかより高いので、それは治すものではない、周囲が理解するもの、という認識が広がってきているようです。

私が、発達障害について知ろうとしたとき、まずこのことは目から鱗でした!

これは病気ではない、そして、劣っているわけでもない。

ネットで情報を調べたり、特に読んでとても感動したのが、以下の書籍です。

子供の中で、何が起こっているのか、その子の立場に立って、とてもよく理解できる書籍でした。

『自閉症スペクトラムとは何か: ひとの「関わり」の謎に挑む』千住 淳/著
(ちくま新書)

サポートは?

そうは言っても、世の中は多数派が生きやすいように出来ており、また少数派(個性的な)人間・子供たちに対する理解もまだまだで、偏見によって不当な判断をされることもあるでしょう。

こういう流れの中、現在、日本の学校などでは、発達障害やその傾向のある子供たちに対しては「合理的配慮」という形で、子供たちをサポートする方向になっています。

我が子も、そうしたサポートの恩恵を受けています。

自閉症スペクトラムの疑い(我が子の場合)

現在、9歳の我が子には、こんな困った点があります。

  • 関心のあることについては強い興味を示すが、関心のないことは話を聞こうともしない
  • 初めて会った人とすぐにうちとけない(挨拶をしない)
  • 勝ち負けにこだわり、負けると激しく怒る
  • 小さなことでも怒り出すと癇癪となり、止められない(小さなことにもこだわる)

小さい頃から元気いっぱい、運動は何でもできるし、言葉もとても早く発してとてもよく話す子。

夜泣きもなく、起きている間中、熱心に遊び、育児ストレスがほとんど何もない良い子でした。

そうした我が子の成長の中で、生活の中での大変さが出てきたのは、小学1年生の2学期からでした。

学童期の自閉症スペクトラム(不登校)

1学期は、新1年生になってうれしく、うきうきと登校していたものの、2学期の運動会の練習から徐々に学校に行きたがらなくなった我が子。

ついに9月終わり頃には完全不登校になってしまいました。

きっかけはおそらく、厳しい担任の先生。

このとき、子供の心で起こっていたことで、なんとか子供から聞きだせたことは、こんなことでした。

まず、自閉症傾向の子供は、自分の心の中を上手く説明してコミュニケーションすることが難しいので、それを理解するのもかなり遅れたのです。

  1. 担任の先生のどなり声で耳が痛くなる
  2. (月~水曜日まで我慢すると、木曜日にはもう登校できなくなる)
  3. 隣の席の子がうるさくて、イライラする(物を壊されたりするのが理解できない)
  4. 文字を書く宿題で、文字の形を赤字修正されたのがイヤ(宿題をやらなくなった)

主なことは上の3つですが、自閉症の傾向がよく現れていました。

  1. どなり声がイヤ→聴覚がとても敏感
  2. うるさい子にイライラ→自分の世界に入りたいので、ADHDぎみの子が苦手で、ちょっかいを出されることを何よりも嫌う
  3. 修正されるのがイヤ→人からの指示を嫌がる(変わりに、子の個性をほめてあげるととてもやる気になるのです)

この子供の傾向にとって最悪の先生だったので、2学期中復帰することができず、さらに運動会の練習でも、先生たちの厳しい声がイヤだと完全不登校に。

その後は、週に1度程度、スクールサポーターの先生とだけ一緒に過ごすために登校していました。

そしてついに3学期は、日本での登校を断念し、リフレッシュを兼ねて海外に連れ出したのです。

2年生はとてもやさしい先生で、どなることもなく、子もリラックスできたのか、2学期までなんとか普通に登校。

ですがそれも、近所のお友達が朝迎えに来てくれたり、親の私が一緒に登校したりで、一人で歩いての登校は、早々にできなくなっていました。

この子供の様子を見て、3学期はまた海外へ。

その後は、4年生になる現在まで、断続的に、海外での学校生活にトライしています。

診断は?(受診と検査)

病院受診(我が子の場合)

最も子供が荒れた1年生の秋に、学校の先生に薦められて、精神科を受診することに。

医師の見立てがあることで、学校も子供の個別サポートをしやすくなるためです。

結果、自閉症の診断を出すためには、何回にも渡って医師が子供を観察する必要があり、家庭の事情から子供を病院に連れて行くことも大変で、診断までは出なかったものの、その中で、PARS-TRという、親への聞き取り調査の検査を受けました。

この結果の点数から、我が子はかなり自閉症スペクトラムの傾向が強いことを認識しました。

PARS-TR検査

PARS-TRでは、子供の幼少時(ごく幼い頃)と、現在の様子について、別々に質問事項があります。

それぞれで点数を出し、もともとの子供の自閉症の傾向と、現在の傾向(後天的なもの)を見ます。

そのどちらも、我が子は、自閉症を疑われる点数(点が高いほど傾向が高い)の、1.5倍の点数を出しました。

明らかに、「自閉症が疑われる」点数です。

検査後の生活(我が子の場合)

PARS-TRは、医師ではなく臨床心理士が検査を行い、検査結果についての見立てを書類で書いてくれます。

それを元に、専門の医師が子供を診察し(多くの場合は複数回)、自閉症スペクトラムの診断になります。

我が子の場合は、医師の診察に出向くのが大変だったのと、生活面が大変すぎて海外へ連れて行った結果、生活面での大変さがとても改善されたために、診断までこぎつけなかった状態です。

ですが、現在でもまだ、生活の中での大変さを抱えています。

学校生活での対応

自閉症スペクトラムの診断が出たり、あるいは我が家のように診断まで出なくても、PARS-TRの試験結果があったり、臨床心理士の見立てがあると、学校は子供に合わせた対応ができます。

「通級(つうきゅう)」と呼ばれ、通常の授業の時間帯に、他の教室で個別に授業や先生の対応が受けられます(学校から行政への届出が必要)。

我が子の場合は、学校での態度には特に問題なく、授業にも積極的に参加し発言し、友達関係も問題ない、との判断。

そこで、特別な支援があったわけではありませんでした。

小学3年生になったときに、自閉症スペクトラムとは別に、読み書きの困難が疑われたため、週に1時間の個別対応授業が行われました。

自閉症スペクトラムを抱えての生活

自閉症スペクトラムの診断までこぎつけなかったものの、その傾向が大きく判明した我が子。

その後約2年半経っていますが、現在でももちろん、たくさんの困りごとがあります。

様々な困りごと(個性として)

現在、10歳目前の我が子について最も困っているのは、以下のようなことです。

子供の大まかな性格や傾向は少しずつ分かってきたものの、子供は成長するものだから、随時、違った生活面での困難さを発症します。

どれも、自閉症の傾向から、生活面のコントロールが難しいと思われる点です。

  • ゲーム中毒、PC中毒が激しく、平日も6時間、週末は夜も寝ないで行ってしまう。
  • これをやめさせようとするとパニックになり、大声で叫ぶのでやめさせられない(近所からのクレームや通報になる)。
  • PCやゲーム機を見ていないときは、変わった実験をやりたがる(Youtubeを見て真似をする)。

火を部屋の中で使ったり、かなり危ない。

  • PC/ゲーム中毒ということもあり、生活時間帯が大幅に乱れる(睡眠時間がほとんどとれないことも)
  • 海外での生活では、だんたんと他の子たちと遊ばなくなった(言葉でのコミュニケーションがとても困難)

良い面と、その特徴は?

自閉症スペクトラムは、子供の個性のため、すべてが困ったことばかりではありません。

大人から見ていても「すごいな」と思うようなこともあります。

例えば、我が子の場合は、特にこの2点がすばらしいのです。

  • 学校ではとてもきちんとしていて、暴れることも、授業の邪魔になることもない(その態度のため、先生からの評価は高い)
  • 集中力がズバ抜けてすごい。

記憶力や思考力も高い。

ADHDの子との対比で分かりやすいのですが、自分の世界を持つ自閉症スペクトラム傾向の子は、学校などで他の子の邪魔になるような行動が少ないように見えます。

高機能の場合は、その場の振る舞いについて理解してきちんと行動できる子供も多くいるでしょう。

集中力と「くっつく傾向」

集中力の面では、何に集中するかが、とても重要になります。

我が子の場合は、小さい頃から、保育園で習う遊び、折り紙、コマ回しなども、すごい集中力で行うので、どれもものすごく上手い子でした。

こうした創造的なことに集中するのは、子供の脳の発達にもとても良いと思えました。

ところが、小学校入学とともに我が子が集中しすぎて困っているのが、ゲーム。

ハマりすぎて「ゲーム中毒」の状態ですが、ゲーム中毒は発達障害とは別に、現在の子供たちの問題としてとても大きいものでしょう。

だからこそ、周囲が最も注意して対処したいところですが、自閉症の傾向を持つ子は、それを正すのが通常の子よりも難しいことを実感しています。

一度ハマってしまったものから興味を切り離すことがとても難しいのが自閉症の傾向です。

「くっつく傾向」と呼ばれ、1日の動作の中でも、始めたものをやめることが難しい、新しく始めることがなかなかできない。

我が子の場合も、

「寝ているときはいつまでも起きない(朝)」

「夜はいつまでも寝ない」

「始めた遊びはやめられない(外出時の苦労)」

などです。

まとめ~自閉症スペクトラムの子を、いかに幸せに育てるか

世界的に有名な天才たちも、おそらく現代に生きていれば自閉症スペクトラムと診断されただろう、とも言われます。

通常の成長とは違った形と個性を持つ子供。

自分の世界を持っている子供。

それが自閉症スペクトラムの子供たちともいえます。

子供によってさまざまな個性を見せる自閉症スペクトラムなので、その子の個性を周囲がしっかり理解してあげることで、子供の将来をポジティブなものに導いてあげることもできるでしょう。

例えば、自閉症スペクトラムに特徴的な集中力を、どう上手く、子供にとってポジティブになるように向けてあげるか。

それは周囲の大人の責任だとも、感じます。

できればゲームなどいちユーザーになるものではなく、創造的な活動で、個性を発揮できるものに誘導してあげたほうが、集中力は有意義に発揮できるでしょう。

我が子は自分が考えてそのやり方で行っている場合、精神的に落ち着いていることが多いのです。

ゲームなど、作られたストーリーの通りにクリアしていくものは、闘争心を掻き立てる上に、子供のペースに合わないとすごく精神的に動揺します。

子供自身が、自分の個性に満足して楽しめるもの、そうした環境に導いてげると、子供の個性は、とても良い面を発揮できるでしょう。

そうした中でも、周囲の理解や導きが「あまやかし」にならないように、最低限必要な人との関わり、生活のルールと生活リズムを、しっかりと身につけさせてあげることも大切だと感じます。

そして、必要な場合は、精神科医や心理カウンセラー、臨床心理士、まずは学校の支援担当の先生などを頼ってみると、子供との関わりに、大きなヒントを得られます。

かなり独特な個性を持った我が子に対し、小学校入学以来いつも私が意識しているのは「子供の居場所を作ること」です。

世間の枠にはまらなくても、人と違っていても、その個性が発揮できる場所・環境・学校・大人たちの視線。

それを甘やかすことなく精神的に深く導ける視線と環境。

こうしたものがあれば、自閉症スペクトラムの子供たちは、どれだけ幸せに生き、世の中でもその力を発揮できる大人に育っていくでしょう。

子供たちだけでなく、周囲の大人たちや、社会全体が、もっと成熟して、彼らの居場所を増やせる社会になることを望みたいですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

WEB制作現場を経て、現在、海外在住ライター。同時に、西洋占星術とフラワーエッセンスのプラクティショナーでもある。 30代後半ぎりぎりに1児の男児を出産後、ハーブやアーユルヴェーダなどを学び、自然療法に傾倒していく。 現在、海外にて子育てに奮闘中。