赤ちゃんの片耳が…。初めて聞く診断名、娘1歳現在

赤ちゃんの誕生。

誰もが、無事に健康で元気に生まれてきてほしい、そう思うのではないでしょうか。

私もその一人でした。

私の妊娠生活は家事と仕事を両立しながら大変ではありましたが順調で、無事に健康な赤ちゃんが生まれてくると思っていました。

そんな最高の日になるはずだと思っていた日が、奈落の底へと突き落されていく。

まさか見たこともない、聞いたこともない疾患を持って生まれてくるなんて、夢にも思いませんでした。

赤ちゃんの片方の耳…

生まれた直後は、大きな声を出して泣きました。

「おめでとうございます」

と助産師さんに言われ、無事に生まれてきてくれた安堵感と達成感でいっぱいでした。

そこで耳を疑う言葉が。

「ちょっと赤ちゃんのお耳が・・。」

見せられた赤ちゃんの片方の耳が、耳の形になっていなかったのです。

そのとき先生からは、はっきりした事は言われず

「今の形成手術は技術が高いから」

と言われ、出産直後で意識朦朧としている私は、そうか、治るのかとその時は思いました。

安静室で待っていると、夫が入ってきました。

「片耳、耳の形になっていないよ…。」

私は赤ちゃんを抱っこしていて、その耳をじっくりと見ることができません。

私は大丈夫でしょ、と思っていましたが夫は

「変だよ…」

と言っていました。

まさか…片方の耳の形が

しばらくして、病室に戻り、赤ちゃんをじっと見てみました。

右耳と左耳を比べてみると、明らかに片方が耳の形になっていないのです。

耳たぶがあり、その上に皮膚はあるのですが、耳が大きくならず閉じてしまっている様な状態でした。

そのときは、医師から正式な病名は伝えられておらず、一体どのような症状なのか一切分かりませんでした。

新生児室のガラス越しから我が子と他の赤ちゃんを比べると、みんな両方にしっかりとした耳がついているのに私の赤ちゃんの片耳は小さい・・・。

五体満足で産んであげられなかった、どうしてこうなってしまったのだろうという思いが一気に溢れてきました。

この子はどうなってしまうのだろう。

私のせいだ、と毎日思い続けました。

自分を責めて赤ちゃんの顔を見ることさえも辛くなっていきました。

病名をはっきりと言われなかったため入院中は不安と恐怖で、疲れているはずなのに熟睡できず、悶々とした日々でした。

ネットで調べれば、すぐに症状が分かるはず。

でも怖くて、とてもじゃないけど調べることができませんでした。

耳の形が不全、耳の穴というものも見当たらず、

まさか、耳も聞こえないのでは…

という不安が押し寄せていたのです。

診断は?

そして退院の日、小児科の先生との面談でした。

何を言われるのだろう、耳は聞こえているよね、大丈夫だよね、どうか、どうか聞こえていますように…

と祈るような気持ちでした。

高齢の穏やかな先生でした。

「赤ちゃんは小耳症です。」

と言われました。

しょうじしょう・・・?

耳慣れない、初めて聞いた診断名でした。

「小さい耳と書いて小耳症です。生まれつき耳の形成が不全の状態です。」

そして聴力検査の結果も伝えられました。

「形がある耳は聞こえているようですが、小耳症の耳はリファー(要再検)です。」

あぁ・・・この子は形だけでなく片耳も聞こえていないのか・・・。

私の祈りも虚しく、目の前が真っ暗になりました。

生まれつき片耳が聞こえていないと、この先きちんと言葉はでるのだろうか、発達に遅れがでるのではないか、瞬間に様々な不安が私の脳裏をかけめぐりました。

通常の生活はできる?手術は?

先生は、片方の耳だけでもあまり支障はなく、通常に生活はできると言ってくれました。

そして耳の形は、10歳頃に軟骨から骨をとり、手術をして形を作ることができる事、また、外耳道が閉鎖していることが多く、耳の穴をあける手術も出来るがあまり効果がなくリスクが大きいため、現在は多くの病院ですすめていないという説明をして下さいました。

説明を聞いて混乱する私に、先生は

「何事もなく生まれてくることは奇跡なのですよ。お母さんのせいじゃありませんよ。」

その言葉を言われた瞬間に、涙がこぼれ落ちました。

不安になり自分を責める日々

その日から、小耳症をネットで検索する日々が始まりました。

すると、小耳症は稀な疾患であること、あごの低形成などの合併症、耳の中の内耳や中耳に奇形を伴っている場合がある事、手術の事などの情報が書いてありました。

小耳症と言っても、各個人によって症状が様々であるという事が分かったのです。

そして耳の形成手術はとても高度な手術で、手術内容の文章を読んでいるだけでは想像がつきませんでした。

こんな難しい手術で子供に負担をかけさせてしまうのか・・。

小耳症について調べれば調べるほど、私はどんどん不安になっていったのです。

その頃の私は、まだ毎日夢をみているような気分でした。

朝起きたら、両方ちゃんと耳があるような気がして何度も見るのですが、やっぱり片耳がないのです。

外を歩くと他の赤ちゃんを見て

「両方きちんと整った耳がある。」

と思い、無意識に我が子の片耳を、見えないように隠すようになりました。

どうしてこの子を何事もなく産んであげられなかったのだろう、この子はどうなっていくのだろう、毎日、そんなことを思い、塞ぎ込むようになっていきました。

周りに同じ症状の子がいるはずもなく、情報が少ないなか、両親や義両親から耳の事を聞かれても、私は答えようがありませんでした。

そして、何気ない一言が、私を責めているように聞こえました。

「あなた、妊娠中のあの時に風邪をひいたよね。」

「〇〇ちゃん、〇〇ちゃん!聞こえている?」

ですが、日に日に大きくなっていき、笑顔を見せるようになった娘を見て、私も前を向いていかなくては、と思い自分を奮い立たせました。

同じ疾患のあるLINEサークル

やっぱり情報が欲しい、と思い再度ネットで色々と検索をし、小耳症のサークルがあることが分かったのです。

こみこみ 小耳症の方のためのLINEサークル

早速、このサークルに参加をしました。

すると、全国に同じ症状の子が沢山いることに、とても驚きました。

コメントを読んでいると、自分と同じ気持の方が数多くいて、夢中で読んでいました。

生まれてきてから耳の事を告げられた時の衝撃、周りに相談相手がいないこと、情報が少なく今後どう動いていいのか分からないこと。

そうか、みんな同じ気持ちなのか・・・!!

今後、成長していく過程で困っていく事、注意すべき事などが分かり、ぼんやりとしていた未来が少しずつクリアになっていったのです。

娘は1歳、聴力は?

娘が生まれた直後は、申し訳なさと将来の不安で精神が不安定になっていました。

しかし、同じ境遇の方たちとの出会いのおかげで、不安は薄れ、気持ちがだいぶ楽になりました。

今は数か月に一度、耳鼻科を受診し、耳の聴力検査をしています。

音への反応はあり、片耳は正常だろうと診断されています。

そしてサークルで得た情報で、技術の高い形成外科の病院に受診をすることができました。

今は、育児に慌ただしく、耳の事を忘れてしまう日も多くなりました。

必死に隠していた耳も、今は隠すことはしていません。

案外、耳に気が付かない人も多く、気がついても大人はあまり聞いてきません。

これからまだ、色々と課題がでてきますが、娘と一緒に乗り越えていこうと思っています。

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