夫は外国人!子供にはどちらの言語を使う?我が家のバイリンガル育児

私には2歳になる娘がいて、バイリンガルで子育てしています。

バイリンガルというと、英語やフランス語などをイメージされる方が多いかもしれません。

我が家では「バスク語」というマイナー言語でのバイリンガルです。

今回は、そんなバスク語について、また我が家のバイリンガル育児について紹介します。

バスク語とは?

バスク地方はスペインの北東部とフランス南西部にまたがるエリアです。

私の夫はそのスペインバスク地方出身です。

スペインと聞くと、燦々とした太陽、フラメンコ、パエリア、人も陽気、このようなイメージを持つ方も多いと思います。

しかし、スペインバスクは、雨が多く緑が青々と茂り自然豊かなところです。

また世界中から美食の街として注目される場所でもあります。

「情熱的なスペイン」のイメージとは少し異なり、独自の文化があるのがバスク地方です。

バスク地方に住む人々は「バスク人」と呼ばれ、独自の言語「バスク語」を持っています。

日本の歴史を変えた、あのフランシスコザビエルもバスク人だったといわれています。

バスク語は、ヨーロッパのどの言語の影響も受けていない孤立した言語であり、

“どこから来たのか分からない謎の言葉”

と言われています。

また、文法が特殊で習得が非常に難しい言語でもあります。

スペインバスク地方では「バスク語とスペイン語」が公用語となります。

現地の標識や看板なども、バスク語とスペイン語、両方で表記されています。

とはいっても、どんな言葉かイメージできないと思いますので、ここで少しだけバスク語の挨拶をご紹介します。

バスク語のあいさつ

Kaixo (カイショ)         「こんにちは」
Agur (アグール)         「さようなら」
Eskerrik asko(エスケリカスコ)  「ありがとう」

いかがでしたか?

英語などのメジャー言語と比べると、やはり“謎の言語”だけあってユニークに感じるかもしれませんね。

夫と対立!スペイン語かバスク語か

夫はバスク生まれのバスク育ち。バスク語、スペイン語の両方を話します。

では、我が家はなぜメジャーなスペイン語でなくマイナー言語のバスク語でバイリンガル子育てするのか?バスク語を選択した経緯をお話します。

実はこの件に関して、夫とはかなり揉めました。

妊娠中から夫婦で、夫が子どもに使う言語は

「スペイン語か?バスク語か?」

を何度も話し合いました。

夫の意見は、子どもにスペイン語でなく「バスク語」を使うことでした。

しかし、私はこれに断固反対。子どもにはスペイン語を使うべきと主張しました。

その理由として、まずバスク語はバスク地方でしか話されない言語ということ。

一方、スペイン語は世界各地で使われている言語であり、子どもの将来的なことを考えれば、スペイン語を話せた方が有利だと思ったからです。

また私自身もスペイン語を勉強したこともあり、知っている言語だったことも理由のひとつでした。

また、自分の知るバスク語は挨拶程度なので、正直私にとっては、未知の言語でした。

しかし、私が

「子どもの将来のために、スペイン語を選択すべき」

といくら言っても、夫はイエスとは言いませんでした。

ついに決着!その先にあったのは「母語と母国語」

夫が、子どもにスペイン語でなく「バスク語」を使うことを、強く主張する理由はいったい何なのか?

それは「母語と母国語」この違いから見えてきました。

母語と母国語は、同じような意味だと思われがちですが、違うものです。

母語:
 物心がついたときから使用している日常語。
 幼児期から自然に習得している言語。
母国語:
 自分が生まれた国や所属している国の言語。
 公用語。

夫は基本的に友人などとはスペイン語で会話します。

そして、自分の両親とは物心ついたときからバスク語で会話します。

つまり夫にとっての「母語」はバスク語になります。

また、スペインバスク地方ではバスク語・スペイン語が公用語となるので、夫の母国語は、バスク語、スペイン語、両方であるといえるでしょう。

夫はスペイン語もネイティブですが、彼にとってより自然な言語はバスク語。

また、自分が生まれてから両親と話していた言葉で、最初に覚えた言語でもあります。

そのため夫は

「自分の子どもにバスク語で話すのは1番自然なこと。」

と主張し、一歩も譲らなかったのです。

しかし、私は日本人で、母語も母国語も日本語。

生まれてから両親とも日本語で話し、教育も日本語で受け、周りにいる友達とも日本語を話してきました。

そのためこのことを全く理解できませんでした。

母語と母国語の違いを理解した時、私はようやく夫の言い分を受け入れることができました。

揉めにもめた話し合いにも決着がつき、子どもには、夫の「母語」であるバスク語を使うという結論に至りました。

私が考えた「バイリンガルで育てる本当の意味」

私はこのことがきっかけで、

「バイリンガルで育てる意味」を、もう1度考え直してみました。

当初の私は

「とにかく子どもの将来を考えたらスペイン語を選択するべき!」

と強く思っていました。

しかし、それは

「スペイン語を話せるほうが良いとか、将来有利だから」

ということだけに焦点を当てた、ものの考え方だったと思います。

これは何語に関してもいえることだと思いますが、言語を学ぶことは

「言葉を話すこと」以外にも大きな意味があると思います。

言語を学ぶ過程で、その国の文化や歴史、その言語を話す人たちのライフスタイルや価値観なども見えてくるものだと思います。

例えば、日本には目上の人を敬う文化があり、会社など上下関係がある場所では、敬語を話すことは一般的だと思います。

また、世界から日本人を見たとき、日本人はとても礼儀正しいとよく言われます。

これは敬語というものが根付いている国であるからこそ言えることなのかもしれません。

私の夫も以前、日本語を勉強していましたが、日本語を学ぶことで、その背景にある、日本の文化や人の考え方なども学んだと話していました。

バスク地方はスペインとは違った、独自の文化が根付いている場所。

バスク人の夫は

「自分のアイデンティティはスペインでなく、バスクにある。」

と言います。

そんな父親を持つ娘のルーツは、日本だけでなくこの「バスク」にもあるということ。

自分のルーツを知ることはアイデンティティを形成するうえでとても重要なことです。

そのため、

「娘がバスク語を覚えていく過程で、その背景にある文化や歴史などを知っていって欲しい。」

と思うようになりました。

私はこれが、言葉を話せることよりも大切なことであり

「バイリンガルで育てる本当の意味」

ではないかと思いました。

現在の状況

我が家では、娘に夫はバスク語で話し、私は日本語で話しています。

現在娘は2歳。

最近、大分言葉も話せるようになってきました。

今は私と一緒にいる時間が長いので、娘が話す言葉は日本語の割合が多めです。

しかし、夫がバスク語で話しかけると、娘はきちんとバスク語で返してきます。

幼いながらにきちんと日本語とバスク語の使い分けができているようです。

ちなみに夫と娘が話している時、私はなにを話しているのか分からないので全く会話に入れません。

まだ2歳ですが、私より確実にバスク語上手いです(笑)

しかし、日本で生活しているので環境は日本語になります。

ですから、出来るだけバスク語の動画をみせたり、バスク語の本を夫に読み聞かせしてもらったりしています。

また、夫婦の会話が日本語であり、3人での会話も日本語メインになってしまうので、夫が休みの日は娘と二人で過ごす時間を作ってもらうなどの工夫をしています。

おわりに~1番大切なこと~

娘はまだ2歳なので、話す言葉はこれから先どうなるかはわかりません。

このまま日本で生活していけば、周りのお友達との会話は日本語になりますし、教育も日本語で受けます。

基本的に夫以外とはすべて日本語の環境です。

そのため、娘がバスク語を拒絶する日が、今後来ないとも限りません。

しかし、それは娘の気持ちであり、そうなっても仕方ないことだと思います。

将来的に何語を話すかは、あくまでも娘の意思であり、親が決めることではないと私は思っています。

親として1番大切なのは、「子どもの意思を尊重すること。」

我が家のバイリンガル育児はまだ始まったばかり...

娘の気持ちを大切にしながら、成長を見守っていこうと思います。

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